2021年9月 槍が岳登山記録2日目 雨の中、強行(というほどではない)

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暗闇の中、足音が何度も過ぎていきました。
今日は土曜日。
登山者がたくさんいるようです。

5:00起床。
何度か目が覚めたもののしっかりした睡眠でした。
雨はまだぱらついています。

この天気では食事も作れません。
こうなるとガスバーナーの方が便利かな、と思ってしまいます。

炎の力が一定でない。
燃料こぼれの心配。
閉所での目の痛み。
アルコールバーナーの残念なところです。

8:00。
少し雨足が弱くなりました。
まずは腹ごしらえです。

もはや定番

棒ラーメン豚骨味は安定のうまさ。
乾燥野菜とチャーシューも入れて大満足でした。

9:00。
太陽も少し顔をのぞかせてきました。
これ以上遅くなると戻りが夜になってしまいます。
荷物をデポ(一箇所においたままにすること)。
最低限の装備でいよいよ槍ヶ岳に向かいます。
雨具の上着だけ装備。

槍ヶ岳は本当に水が豊か。
至る所に流れがあります。
そのどれもが綺麗。
極端な坂もないし、印象とずいぶん違います。

歩くうちに雨が止みました。
せっかく着込んだのに何なん?

雲がなかなか抜けない

休日ということもあって登山客がたくさん。
これほど人の多い山登りは初めてな気がします。
たくさんの人と抜きつ抜かれつ。
全員が槍ヶ岳山頂を目指しているのでしょうか。

あたりはガスがかかっていて真っ白。
たくさんいたはずの登山客が見えなくなって孤独になります。

播隆窟(ばんりゅうくつ)内部

こちらは初登はん、開山をなしとげた念仏行者、
播隆(ばんりゅう)が利用したとされる洞窟。
50日以上もここですごして念仏を唱えたとか。
登山道具もない時代。高僧の苦労が忍ばれます。

播隆窟の中のかわいいお地蔵様

ある程度傾斜はあるけれどそれほど危険箇所はありません。
土の地面から岩の地面に変わりゆっくりと頂上に近づきます。

花は終わり気味とはいえ色を失わず

遥か遠くに青空は見えます。
でも向かう槍ヶ岳は真っ白。
景色は期待できそうにありません。

あたり一面、ガスばかり

槍ヶ岳直下の槍ヶ岳山荘に到着。
中を除いたらぎゅうぎゅうの人だかり。
すぐに外に出ることにしました。
本来なら山グッズを色々見たかったのですが……。

小屋のベンチに荷物を置いてさらに身軽に。
ヘルメットはすでに装備済み。
いよいよ槍ヶ岳にチャレンジです。

垂直に近いバラバラの岩場。
それに手をかけて登ります。
岩登りというほど難しくはない感じ。
目印に沿って動く。
手を伸ばして三点確保。
ゆっくりと上を目指します。

あたりは僕一人。
もしここで転げ落ちても誰も気づかない。
そんなことを考えながらも黙々と登ります。

真下を撮影する余裕はさすがになかった

ラストの鉄梯子。
ガスがかかっていて鉄の梯子は冷えています。
手袋、持ってくれば良かった……。

標高3180mで一人つっこむ

やっと山頂。

……て何も見えないやないかーい!

つっこんでみても一人。
あたり一面ガスだらけ。
高山の小鳥が呑気にエサ探しをしています。

社の下の標識を持って自撮りはしました

この小さなお社だけが、槍ヶ岳山頂にいる証拠。
景色も何もあったものじゃない。
早々に山頂を後にしました。

三角点はグラグラしています
アルプス一万弱で有名な小槍(標高3030m)がぼんやり

降りる時の方が怖いかも。
疲れた足で踏ん張り、鎖や岩を伝って降ります。
岩の向こう側でよじ登る人を見かけました。
登り降りでルートが違うみたいです。

槍ヶ岳山荘が見えてきて一安心

ここまでくればもう安心。
景色は見れなかった。
けれど登り切った満足感を感じます。

小屋で荷物を背負い、下山開始。
長い長い道のりです。

下に見えるのは殺生ヒュッテ

下側は雲が抜けています。
明日あたりはすっきりとした天気になりそう。

登りの時の人の列。
槍ヶ岳山荘の人だかり。
それらがまるで嘘のよう。
いつの間にか周りには誰もいません。

疲れで震える足に鞭を打ち必死で歩きます。
足裏の痛みはまだあるけれど歩けないほどではありません。
ひたすらひたすら長い山道を一人で降り続けます。

別の方角には青空も

テントに荷物をほとんど置いてきました。
おかげで肩の痛みはありません。
とはいえ相変わらず続く坂道。
泣き言を言ってもテントには戻れない。
とにかく無心で足を動かし続けます。

足元にはハートマークの石。
靴と一緒に撮影。
辛さも含めて、楽しもう。
そう思って再び歩み始めます。

土砂崩れと大岩

河川の方を見やると巨岩がありました。
ざっとみても自家用車より大きい。
自然の迫力を垣間見た気がしました。

後日、槍ヶ岳付近で震度4の地震がありました。
こうした大きな岩がいくつもある道。
危険はそこかしこに転がっています。

愛しきマイホーム

到着は17:40。
山では目的地に15:00まで到着すべし。
その鉄則が守れませんでした(来た時も守れてない)。

靴紐をゆるめ、マットの上に寝転がる。
それだけで体がじんわりと暖かくなる。
飲み食いよりもまずは休憩。

すっかり日も落ちてしまう

食事の準備も面倒。
お湯を沸かして軽くご飯を食べます。

このドライカレーは微妙……

野菜とコンソメでスープを啜り体を温めました。
あとはもう明日。
とにかく早めに寝て疲れを癒すことにします。

移動距離 12.32km
消費カロリー 2609kcal
移動時間 8:13:44

登山