食事
おにぎり2 携帯食1/4 揚げあんぱん 水 2.8L
かしわめし(米一合、具材、調理せず)
装備
パンツ、シャツ、インナー、(すべてメリノウール) ウィンドブレーカー
キャップ、靴下、雨具上下(GORE-TEX)
火気類、ヘッドランプ、タープ(エマージェンシー用)
距離
16.3km
久しぶりに山に登ろうと蛭ヶ岳を目指しました。
とは言え、しばらく運動をサボっていました。
特にジョギングなどは全く行っていなかったため
長距離は全く自信がありません。
そのため、登山口から蛭ヶ岳の体力的な中間点、
姫次を今回の目的地としました。

登り始めは7:30。
以前は登山口まで迷い続けたものですが、
やっと道に慣れてきた気がします。
荷物を整え出発。
大量の駐車中の車を横目に歩き出しました。

道路工事はもう終了したのか、工事用の標識がなくなっていました。
途中の未舗装道路がなければ
もっと登山口の近くで駐車するのですが……。
登り始めはしばらく急登で見晴らしのない道。
何度も通ったルートなので覚悟だけはできています。
一歩一歩、足を運ぶことだけを考える。
唯一の救いは道の表面が滑らかであること。
大きすぎる岩や歩幅の合わない階段はありません。
自分のペースで歩けるのは大きい。
……とは言えやっぱりきつい。
そして、長い道は登りより下りが心理的に大変。

急登エリアをぬけ東海自然歩道ルートと合流。
あとは姫次まで緩やかな登りになります。
ここまでくれば目標地点まであとわずか。
足腰も体力もまだ余裕がありました。
そして姫次に到着。
目的地には思いの外、楽に到着できました。
足の筋肉はだいぶ疲れていますが問題ないでしょう。

あんぱんを食べながら、富士山を眺めます。
美しすぎる。
何度も見た富士山なのに、今日も美しい。
やはり蛭ヶ岳山頂で見たい。
しかし、ここから先は一度数百メートル下り、
また登って、しかも階段がたくさんああります。
下りの分だけ登り返しがあり、
歩幅制限のある階段もたくさんある。
距離的には半分を過ぎたくらい。
しかし辛さは変わりません。

姫次の披露目のベンチに寝転びながら考えます。
体力にも時間にも余裕がある。
そのまま折り返すのはもったいない。
行ったことのない袖平山に足を運んでみるのもいい。
でも、やっぱり富士山が見たい。

起き上がって荷物を背負い、蛭ヶ岳に向かって歩き出しました。
今日を逃せば、だんだん夏に近づきます。
暑くなればこの高さだと歩くのが辛くなります。
しかも、ヒルも増えてきます。
そして何より、今日の富士山を見逃すことはできません。
姫次の薮から一気に下ります。
せっかく稼いだ標高を失うのは登山あるある。
何度通過しても、この下りを惜しんでしまいます。
せめて、下の途中にある富士山の眺望ポイントで
そんな気持ちを慰めます。
「今ならまだ引き返せる」という弱音を吐きつつ。

でも、あとは歩くだけ。
ここまできたら引き返しません。
今日の目標は蛭ヶ岳。
遅くても大丈夫。
時間はたっぷりあるし、最悪ビバークしても問題ない。
怪我しないことだけを心がけて歩きました。

トレッキングポールを使って先に進みます。
階段は木材2片で踊り場を作っていますが、
ポールの先端がその隙間に落ち込んでしまうのであまり頼れません。
ヒーヒー言いながら先に進みました。
そんな中、ちらほらと花が目に入ります。
この季節に登ったことはまだなかったので、
これほどたくさんの種類の花が咲くことは知りませんでした。
登山途中と姫次でみたアセビ。
オオカメノキにマメザクラ。
そして、コイワザクラ。

階段途中の狭い道なので、荷物を背負ったまま屈んで
なんとかスマホを近づけます。
頂上間際の辛い道。
息を切らせながらも撮影しました。
コイワザクラは絶滅危惧種となっていて、
丹沢山系はその数少ない生息地ということを
下山後に知りました。
登山中にはそんなことを知らなかった僕ですが
それでも花に出会えたのはやはり山頂を目指したから。
励みにしつつ一歩一歩前進しました。

登頂。
山頂は過去一の人だかりでした。
連休中の好天なので非常にたくさんの登山者がいらっしゃいました。
今までは平日や真冬に登っていたのでその光景に驚きました。
しかし、富士山の見事な佇まい。
やっぱり誰もが眺めたくなる魅力がありました。

いつもは座り放題のベンチ。
空くのを待っておにぎりを食べました。
しかし、もうお腹がいっぱいです。
いつもなら、ここで調理を始めるところ。
でも、人だかりと疲れでそれどころではありません。
調理をあきらめ、携帯食を食べようと口に運びます。
ところが、どんなに噛んでも飲み込めない。
疲れが相当蓄積しているようです。
口の中に残る携帯食を水で流し込み、下山中のエネルギー不足に備えます。
山頂を一回りして、下山を開始しました。

後は登山口まで足を運ぶだけ。
下りは落下の勢いを利用して速度をつけます。
しかし、うまくいかないのが蛭ヶ岳。
登りで楽をさせた下りの道が上りとなって立ちはだかります。
5つの登り返し区間。
登りはすっかり足が動かなくなりました。
登り返しを終えてやっと姫次まで到着。
もう登る必要はない。
これだけで気持ちが少し楽になります。
しかし今度は急な下り坂。
登りでは有利に働いた滑らかな道。
下りになるとそれが悪い方向に働きます。
ストッパーがないので滑りやすくなるのです。
地面が濡れていても乾いていても同じです。
しかも、道の長さは登りの時に体験済み。
登りのときのような負荷がない分、
今度は、その長さにうんざりする余裕ができてしまうのです。
体力にはもう余裕はないはずなのですが……。

だからこういう時に考えるのは途中途中の目立つもの。
モノレールの交差点や朽ち果てたベンチ。
少しでも特徴のある場所を見つけては
歩みが進んでいることを自分に言い聞かるのです。
そしてやっと舗装路と合流地点に戻ってきました。
疲れて弱音を吐いている瞬間に後ろから来た方に抜かれました。
かなり恥ずかしかった……。
というわけでなんとか下山完了。
すっかり体は疲れ切ってしまいましたが、
今度は自宅まで運転しなくてはいけません。
荷物を下ろすと体が軽くなり座席に座ると足に力が戻る。
最後の一踏ん張り、自宅までの運転を開始したのでした。

