前回は、債務の膨張が
実は仕組みによって作られるたものであって
一般的に言われている
・バブル崩壊後の経済停滞
・高齢化による社会保障費の増加
とは違うことを説明しました。
予算を厳しく作るシーリングによって
わざと債務を増やしている。
そのような状況です。
これは驚くべき矛盾です。
この矛盾は解決されないまま
ずっと何十年も放置されているのです。
高齢化による社会保障費の増加。
よく言われることですが、
これは完全に仕組みの問題です。
この言葉のせいで不平等感が生まれ、
「高齢者1人を支える現役世代の数がどんどん減る」
などという言葉を使って、
世代間の分断を発生させているのです。
こうした制度の放置がいかに悪質か。
明らかになったと思います。
ではもう一つの債務膨張の原因。
「バブル崩壊後の経済停滞」
について考えてみたいと思います。
これは不気味な大きさを保ちながら
日本銀行の債務として溜まったままでいます。
この正体について迫っていきましょう。
まず、バブル崩壊後の経済停滞をxとします。
このxはどうして発生したのでしょうか。
言うまでもありません。
これは、バブル崩壊という事件が原因です。
もともと投資される予定だった資金。
それがバブル崩壊によってせき止められたのです。
だから「バブル崩壊後の経済停滞」なのです。

誰だって金融不安時は投資なんてしたくありません。
当然、皆が投資をストップ。
そのままお金の流れが止まっている。
これこそが「バブル崩壊後の経済停滞」です。
この関係は、川の流れと岩の関係に似ています。
投資予定という水の流れが
バブル崩壊という岩に打ち上げられ
岩の上に溜まってしまっているようなもの。
これが経済停滞x、そのものです。

岩の上に溜まってしまった水、x。
このxはその後、岩の上にそのまま止まり続けました。
例えを現実に戻せば、つまり銀行に残ったのです。
その後しばらく、バブル崩壊の余波が残りました。
誰も投資なんてしたくありません。
このまま貯蓄されたままでは
xの使いようがありません。
仕方がないので、それをお金に変えて
市場に解放することにしました。
それが量的緩和、異次元緩和です。
これらは銀行に溜まった貯金を無理に外に出して
なんとか使ってもらうために現金化する行為です。
現金化すれば少しでも使う機会が増えるからです。
貯金ではどうやっても動かすことができません。
2000年ごろからの量的緩和。
そして2013年からの異次元緩和。
これらは貯金をお金に変える目的で行われました。
元々貯金だったxは銀行から中央銀行へ移動しました。
こうしてxは中央銀行に集まったのです。
バブル崩壊時の停滞x。
それが日銀に集中しました。
かつて日銀がまったく保有していなかった債務。
590兆円分の債務を負うことになったのです。
そして、これこそ日本中から集められたxです。
ここまでお話しして大体お分かりでしょうか。
このxはバブルで使われなかったお金そのものです。
バブルで使われなかったお金、貯金です。
この貯金、
どうして「債務の膨張」などと
まるで悪いことのように語られているのでしょう。
もとはただの貯金です。
投資される予定のあったお金です。
しかも、使われなかった理由はバブル崩壊。
そんなやばい事件の最中、
どうして自分のお金を使おうなんて思うでしょうか。
使われなかったことは当然のことなんです。
ごく当然の反応なのです。
しかもこのxは
「もともと投資される予定の資金」。
決して「国民の借金」ではありません。
問題なのは、これが溜まったままであること。
投資されるべき環境を作らないこと、です。
お金を使うための場所作りが必要。
でも、その場所を作っていないことが問題なのです。
では、お金を使うための場所とは何か。
それは豊かな経済状況です。
皆がお金を使いたくなるような
魅力的なものやサービスに溢れた社会。
それは緊縮的環境では決して生まれません。
余剰があって余裕が生まれ
余裕が生まれるところに文化が育ちます。
政府支出乗数 = 1 / (1 – c)
でも証明される通り、
支出は経済に大きな利益を生みます。
GDPを大きくすることができるのです。
中央銀行に残る債務x。
これは「バブル崩壊後の経済停滞」であると同時に
日本を大きくするための資産そのもの。
なぜ、「バブル崩壊後の経済停滞」などと
ネガティブな表現を用いる必要があるのでしょうか。
むしろ経済を大きくさせる
「投資される予定の資金」として
前向きに捉える必要があるでしょう。

今回の話として
「バブル崩壊後の経済停滞」は
極めて当然な現象であり、
それが日本中央銀行に集中したものの
それは「投資される予定の資金」という
極めて前向きなものとして
意味を改めることができていると思います。
「経済停滞」だの「借金」だのと言って
黄金虫をカメムシ扱いするのはやめましょう。
資金を使うための場所作りに資産を回す。
そんな発想に変えるべきだと私は思っています。
