『MMT入門』のにゅうもん3 〜打ち出の小づちは信頼でできている〜

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前回のまとめでは

ハードカレンシーである。
金(ゴールド)という限界がない。
だから今の日本は最強。
安心して貨幣をたくさん刷れる!

という結論で、日本円の強さを改めて知ることができました。
でも、それと同時に一つの疑問が生まれました。

日本のおかねは無限につくることができるの?

これに関して、MMTは一つの答えを出しています。
何度か述べている文章。

自国通貨を持つ政府は財政赤字を増やしても債務不履行にならない。

これが答えです。
つまりハードカレンシーであり限界のない日本のおかねは無限に作れます。
日本のおかねは打ち出の小づち!

でも、ここで新たな疑問が生まれます。
こんなに強い日本円。

日本円はなにでできているのか。

紙幣なら紙。
硬貨なら金属。
これは原料としては正しい。
でも、価値としては違う。

1万円札と500円玉。
どちらが欲しいでしょうか。
まだお金の価値を知らない小さな子なら500円玉かもしれません。
でも、価値を知っている人なら1万円札をもらうに決まっています。
ニッケルよりも紙でできている1万円札の方が価値が高い。

なぜ価値があるのか。
それは1万円札の価値がある、と日本銀行が認めているから。
日本という国が発行した、という事実が信頼されているから。

この貨幣への信頼(Credit)こそが日本円、そして他のハードカレンシーの強さです。

信頼、というとものすごくあやふやな感じがします。
金(ゴールド)と違って具体的なものがない。
そんな信頼だけでやりとりできるのか。
とても不安になります。

でも、大丈夫。
たくさんの人が使っているから。
日本銀行が保証しているから。
それが信頼の証拠。

だからたくさんお金なり国債なり発行してO.K.

……とまではなりません。
日本の財政法により、それは禁止されています。

第五条 すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。

財政法 第一章 財政総則

何のこっちゃよくわかりません。
要は国債をたくさん刷ってお金を作ってはいけないということです。
わざわざそのことを法律で禁止しているのです。

え?
どうしてわざわざそんなことを。
そんな法律を作らなければ無限にお金持ちになれるのに。
そんな法律なんて、変えちゃえばいいのに。

これには歴史的な反省の意味があります。
第二次世界大戦時のインフレ、物不足。
この背景には戦時国債の暴落がありました。
その時の苦しみを作らないためのブレーキです。

そしてこの財政法第五条あってこその信頼、という考え方もできます。
この法律を無くしてしまえば信頼が失われます。
財政法第五条はハードカレンシーの大前提とも言えそうです。

もう一点。
ここまで法則に則って作られた貨幣は信頼が厚い。
だからこそたくさん作ることができる。

MMTの述べる

自国通貨を持つ政府は財政赤字を増やしても債務不履行にならない。

は正しい。
ただしここでいう自国通貨は世界各国で信頼されなくてはいけません。
その条件があって初めて作ることができるものなのです。

残念ながらお金を無限に作る打ち出の小づちは存在しませんでした。

確かにハードカレンシーであり限界のない日本のおかねは無限に作れます。
でも債務不履行にならないからといって、自国通貨をどんどん増やすのは不可能なのです。

じゃあMMTの理論なんて意味ない。
当たり前のことを言ってるだけ。
そう思ってしまいます。
でも、ここで大事なのは
MMTは無限におかねや国債を作っていい、とは言っていないこと。

MMTはよく批判されます。
その理由は
債務不履行にならないのだから、自国通貨を無限に増やして財政赤字を減らしていい。
というふうに捉えてしまうことです。
一見、

自国通貨を持つ政府は財政赤字を増やしても債務不履行にならない。

と違いはないように見えてしまう。

この原因はここで述べられる自国通貨の定義が曖昧なことにあると思います。
自国通貨の元となる信頼。
その積み重ねが背景にあって初めての自国通貨なのです。
信頼に足るべく、きちんとした配慮のある自国通貨。
それは何の条件もなく増やしていいものではないのです。

自国通貨は無限に増やせないことはわかりました。
では、この理論のもう一つの部分

財政赤字を増やしても債務不履行にならない。

についても調べていきたいと思います。

あ、関係ないけどMMTから見るとビットコインは価値がないとみる意見を耳にするけど、ビットコインは世界中で交換されているから信頼はある。つまり、価値があると見なすべきなんじゃないか、と僕は思っています。

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