2025年4月4日の米国株価暴落は290兆円の損失。
これはトランプ大統領の関税政策によるもの。
そう世間では公表されています。
関税をかけることによって、経済は大混乱を引き起こす。
こんなことは誰にでも予測できそうなものです。
それを知ってか知らずか行ったトランプ大統領。
批判が集中しています。
しかし、僕はこの批判が間違っているような気がするのです。
政策が世間でいう「経済を知らない」わけではない。
むしろ、理にかなった行動のような気がしてならないのです。
トランプ関税は正しい。
そのことについて説明したいと思います。
まずは米国ドルの現状について考えてみます。
今、世界は物価高に陥っています。
どうしてでしょうか。
物に対してお金が多すぎるのです。

これは世界の政府債務残高のグラフです。
もともと高かった政府債務残高。
国債発行の増発により、ドルは世界に溢れたのです。
ちなみに日本は2位。
こちらも相当な国債発行量に思えます。
しかし、もう一つのグラフを比較してみましょう。

これは対外純資産のグラフ。
どれだけ資産を持っているか、のグラフです。
日本はドイツとともにトップクラス。
一方、アメリカは大きく下の方に向かっています。
これはどういうことでしょうか。
つまり、日本国債は外国では買われていない。
米国債は外国でたくさん買われている、ということ。
国債は通貨に代わるもの。
つまり、日本円に比べて米ドルが世界に溢れている状況が今。
米ドルが多すぎるのです。
ちょうど、バブル前の日本と同じ状況。
米国の存在が世界の物価を押し上げているのです。
物価が上がれば経済も回る。
しかし、行き過ぎた加熱は抑えなければなりません。
物価高に対してはどのような対応を取るべきなのでしょう。
それは税金です。
税金によって世界に溢れた貨幣を消去するのです。
税金とは貨幣の流通を減らす仕組み。
これによって貨幣量を減らし、相対的にものの値段を下げるのです。
しかし、政府として税金という手段を取り扱うのは難しい。
なぜなら、問答無用でお金を奪おうとする手段。
この手段を使おうとする政府を国民は選ぶでしょうか。
そう。選びません。
選ぶわけがないのです。
例えば「税金を取らないと国が破綻する」。
ほぼありえないことを建前に国民を騙す。
そうでもしないと税金を取る政府は国民に選ばれません。
税金とはそれだけ人に嫌われるものなのです。
ここまで膨れ上がった米ドル。
少なくするために例えば消費税を導入したらどうでしょうか。
おそらく真っ先に国民全員から非難されるでしょう。
そうした中、考えられた手段が関税。
関”税”なのです。
膨れ上がった債務を減らす手段としての税。
まさに正しい使い方なのです。
これは国民の財布を直撃するような消費税とは違います。
自国の産業を守る、という建前が存在しているのです。
まあ、結果としては同じ物価高につながるでしょうが……。
ここで比較の話です。
今まで国会でよく聞いた話「日本財政の破綻」について。
もし日本の債務残高が膨れ上がったら財政破綻する。
よく聞く話ですが、これはすなわちどういった時なのでしょうか。
これもよく聞く答えとして「デフォルト」債務不履行をした時。
国会答弁でも消費税廃止への答えとして何度も耳にしました。
それに対して、MMT支持者はよく「デフォルトは絶対起きない」と言います。
本当でしょうか。
僕は、違うと思います。
デフォルト、債務不履行は起こります。
仕組みとしての話では起こりえます。
では、それは具体的にどんな時でしょうか。
それは「日本国民全員が給料を日本円で受け取らなくなった時」です。
デフォルトとはその国債を誰も必要としなくなった時に発生します。
国債を発行することによって貨幣が生まれる。
つまり国債=貨幣なのです。
ところで、給料を日本円で受け取りたくない人ってどれくらいいるんでしょう?
どうしても日本円が嫌なら自分で換金しろ、と給料を押し付けられる?
それともそんなことを言う人には給料は支払わない?
労働の対価としての貨幣。
この仕組みが成り立たなくなる時、初めて債務不履行が起こります。
日本の場合、確かにデフォルトが起こらないとは言えません。
でも、それは日本中の人が日本円を要らないと言い出した時。
こんなこと、果たして起こり得るでしょうか?
もちろん、そんなふうになったら僕は喜んで円をもらいに行きますが……。
つまり日本の場合、デフォルトは仕組みとしては起こる。
しかし、確率としてはまず起こらない。
これを恐れて財政政策を行わない。
それはちょうど星が衝突するのを恐れてシェルター暮らしをするのと同意です。
一方で、アメリカはどうでしょう。
グラフにある通り、対外純資産は大きくマイナス。
これは外国に国債を依存している証拠です。
確かに、アメリカで米ドルを受け取らない労働者はいないでしょう。
一方で、中国やロシア、ヨーロッパではどうでしょう。
いまでこそ米国は経済的に活発なのでドルの価値は高い。
持つ価値のある貨幣です。
しかし、もし紛争や政略などで米国ドルを手放したらどうでしょう?
対外純資産を依存する米国は、日本と違って財政破綻をする確率は高いのです。
しかも圧倒的に。
トランプ大統領の政策は、この対外債務残高の減少。
つまり正しい意味での財政再建化を図ったのではないでしょうか。
税金により溢れた米国債を消化。
加熱した物価高対策を外国を巻き込んで行おうというわけです。
米国は資源豊かな国。
関税が高くとも、自国内産業でやりくりはできる。
そうすれば自国内の産業も育つ。
関税を嫌がる資源の乏しい国から条件を引き出せる。
メリットは多いのではないでしょうか。
僕はトランプの政策を無謀とは思えません。
国内の国民に対してだけの税金よりもずっとソフトな財政政策。
じつは本当の経済を見据えたブレーンがいるのではないか。
そう思えてなりません。
ちなみに「正しい」財政健全化とは皮肉です。
トランプ大統領に対して、ではなく日本政府への、です。
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