ドSのからくり 〜なぜ日本は減税を拒み、自ら借金を増やすのか?〜

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前回は奇妙な結論に達しました。

増税と減税。
今の日本では明らかに減税の方が利点が多い。
減税はGDPを増やしつつ、財政健全化も進む。

しかし、減税を頑なに拒む。
政府債務を減らすことしか念頭にない。
一方で、予算は厳しく決める。
そうすることで債務はますます増える。

この矛盾した状況は一体どういうこと?
一つ一つ現状を追いかけた結果、
またしても謎ができてしまいました。

なぜ日本政府と財務省は
政府債務を減らす手段を取りながら
政府債務を自分で増やすことを
ずっと選び続けているのか。

それは日本の予算の組み方が原因です。
日本の予算の組み方は以下の通りです。

1 予算要求(夏)
 各省庁は翌年度に必要な予算を「概算要求」として財務省に提出。

2 財務省による査定
 財務省が要求を査定。要求額を大幅に削減。

3 政府案の作成
 財務省の査定結果をもとに政府が「予算案」を作成。
 各大臣が財務大臣と直接交渉を行う「大臣折衝」。
 最終的な金額が決定。

4 国会での審議・議決
 予算案が通常国会に提出される。
 衆参議の両院で審議、衆議院での承認後、参議院でも承認。
 正式な予算へ。(衆議院には予算審議の優越権あり)

このような過程で組まれます。
これだけでも財務省の権力の強さが分かります。
国家予算を決める大事な任務。
チェックが厳しくなるのも当然……。
ではないのです。

ここまで厳しくなるのは日本だけなのです。
G7で同じ予算の組み方をしているのはドイツだけ。
しかし、貨幣を発行できる通貨主権を持つ国では
なんと日本だけです。

ちなみにアメリカやイギリスは
大統領や首相が主体的に予算を大まかに組んで、
その枠内で各省庁が予算を組む流れになっています。
つまり、トップダウン式の予算編成です。

一方で、日本の予算作成形式はボトムアップ式。
日本政府の財務省の強さの理由はここにあるのです。
そして日本の予算の組み方は
予算の膨張を防ぐ形式を取り続けているのです。
日本が失われた30年から脱却できない理由の一つ。
それはこのトップダウン式予算編成にあります。

財務省に対して今、非難が集中しています。
財務省解体を叫ぶデモもニュースで取り上げられています。

しかし、彼らには罪がありません。
なぜなら彼らは任務に忠実なだけだからです。
彼らの任務、すなわち
「膨張を止める働き」を期待されているからです。
Cast in the Name of God. Ye not guilty.
罪があるのは、このボトムアップ式予算編成。
財務省は自分たちの任務を全うしているだけにすぎません。
ちなみに彼らの苦労を知るのに参考となる本はこちら。
官僚の方々の辛い事情も少し見えてきます。

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ボトムアップ式予算編成。
この形が作られたのは1970年台です。
オイルショックののち、日本は財政赤字が拡大。
1977年から予算にシーリングを設定。
各省庁は無制限な要求をできなくなりました。
そしてこのシーリングこそ
日本の成長を阻む要因となっている気がします。

よくよく考えてみたらおかしい話です。
かつて、財政成長が著しかった絶好調の日本。
その時に作り上げた流れが変わっていません。
太りすぎるから、と厳しく締めたベルト。
痩せてしまったのにまだ閉め続けています。
日本の困窮がピッタリと当てはまるようです。
このベルトを緩める。
つまり、ボトムアップ式予算編成をやめる。
まずはここからがスタートとなるのではないでしょうか。

次回はベルトを締め、財務省を悪者にした
財政赤字についてまとめたいと思います。