『よい戦争』〜法は人を人たらしめるもの〜

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アメリカ合衆国。

日本の敗戦後、アメリカ軍を中心とする連合国軍の占領統治に置かれ、講和条約発効による国交回復後は米ソ冷戦を背景に日米同盟が締結され、政治・経済・軍事・文化など多方面で主に米国主導の密接な関係を築いている。

Wikipedia

同盟国。
密接な関係。
これは一般的によく言われる言葉です。
パートナーとして非常に関係の深い国なのは言うまでもありません。

では、それが常に良いものであったのか。
といえばもちろんそうではありません。

例えばバブル期。
貿易摩擦の問題がありました。
日本円は不当に安すぎる。
そう言って絶好調の日本に待ったをかけたのはアメリカです。

例えば第二次世界大戦中。
真珠湾攻撃による敗北から一転。
柔軟に戦い方を変えたアメリカは優勢に。
二発の原爆で日本にとどめを刺しました。

その第二次世界大戦中。
物も人もどんどん失われ、疲弊していく日本。
その追い詰められていく状況の中、対するアメリカはどうだったのか。

我が子を失った気の毒な人たちは別だけど、それ以外のアメリカ人にとっては最高に面白い時代だった。それまで私の認定で生活補助の対象になり、肉の塊と週4ドルもらってたダコタの百姓がさ、私が帰国してみると、なんと250,000ドルの資産家になってて、昔のことなんてわすれちゃってる

『よい戦争』スタッズ・ターケル

もうウハウハな感じ。
アメリカは絶好調だったのです。
ノリに乗ったアメリカはさらに日本に攻撃する。
あれほど悲惨な結果を残した原子爆弾も賞賛されていたのです。
下のインタビューは科学者に対してのものです。

私のとっさの反応は、大得意だったよ。それから次の反応が起こる。(ささやき声で)あー、なんていうことだ! 都市に落とすなんて! ボスの部屋に入っていって(ささやき声は怒鳴り声になる)原爆を十万人とかの大都市に落としやがった。なんで東京湾か、トラック等のでかい海軍基地に落とさなかったのか。なんで、民間人のたくさんいるところで落としたのかってね。ボスはユダヤ人でホロコーストのことを知ってる男だよ。それが「なんだっていうんだ。連中はジャップじゃないか。犬畜生だぜ」ていう。私はショックだった。彼に対する尊敬はいっぺんになくなってしまった。

『よい戦争』スタッズ・ターケル

当時の国際法でも、非戦闘員への攻撃は禁止。
民間人への爆弾投下を許す法律なんてありません。
それでも原子爆弾は正当化されました。
有名な『ピカドン』というアニメはYouTubeでも視聴可能。
非常にショッキングなため、閲覧注意です。

これほど悲惨な爪痕を残した殺戮兵器。
それを喜んで迎え入れたのが当時のアメリカ人達でした。
原子爆弾は「すばらしいバクダン」と本文ではされています。
このように、日本と戦勝国では大きく扱いが違うのです。

例えば。
某アイドルグループが原爆をネタにした服を着て騒ぎになりました。
プロレス技の「スープレックス」の日本語訳は「原爆固め」。
明らかに温度差があるのです。

では、アメリカは本当に非人道的な国家なのか。
といえば、当然この事件に対して心を痛める人もいました。

私たちは、あの2つの原爆を軍事施設に落としたんじゃない。私たちは、女たち子供たちの上に落としたんだ。私が飛んだり跳ねたり、相棒とだきあって、得意になってその瞬間に、道路に幼い赤ん坊が転がっていて、黒焦げに、焼かれて、生き残るチャンスがない。75,000人の人間がいて、生きて、呼吸して、食べて、生きたがっていた。それが一緒にして黒焦げにされてしまった。これはアメリカが永遠に背負わなければならないものだ、と私は思う。

『よい戦争』スタッズ・ターケル

このように心を痛める人も当然ながらいたのです。

米国人も当然、心ある方がいる。
でも、悲惨な事件は起きた。
ではなぜ、そのような事件が起きてしまったのか。

それについてはまた次回述べたいと思います。