日本貧困化の原因を趣味で読書しているだけの一般人が追求してみる

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今の世の中をよくするにはどうするべきか。
どうしてバブル崩壊は起きたのか。
なぜ失われた〇〇年はどんどん増加するのか。

なんとも抽象的で子供じみた疑問だと自覚しています。
それでも純粋にその答えを求めて本を読み続けました。
今回はそれをまとめにまとめた内容となります。
長い文章となりました。
最後までご覧いただけたら、本当に本当に嬉しいです。

結論

1.
現在のお金は金兌換紙幣ではない。
貨幣が価値を持つのは”信頼”されているからである。

2.
国家予算は「”信頼”によって価値を持つ貨幣」から成り立つ。
その貨幣は緊急時に大量発行が可能というメリットを持つ。

3.
バブル崩壊は貨幣即時発行というメリットを放棄したことが原因。
すぐに貨幣を供給し価格下落分を補填するのが正しい対応だった。

4.
税金は「貨幣の”信頼”を取り戻す行為」である。
貨幣量を減らし貨幣の価値を上げる性質を持つ。

5.
世界では国民の持つ貨幣が増加しているが日本は減少。
それは成長率に見合わない高税率が原因である。

以下では、こうした結論となった理由を順にまとめていきます。

お金とは何か

税金とは、年金・医療などの社会保障・福祉や、水道、道路などの社会資本整備、教育、警察、防衛といった公的サービスを運営するための費用を賄うものです。みんなが互いに支え合い、共によりよい社会を作っていくため、この費用を広く公平に分かち合うことが必要です。

財務省 税制(国の税金の仕組み)

税金はお金で納められます。

税金を知るにはお金を知らなくてはいけません。

だからまず、お金というものは何かを考えます。

お金、貨幣。
昔の貨幣は必ず金(ゴールド)と交換できるものでした。

金(ゴールド)と必ず交換できる紙幣を金兌換紙幣といいます。

金兌換紙幣は金(ゴールド)を用意して初めて発行できるものです。

でも、2023年現在使用されている貨幣は違います。
1万円札でも金(ゴールド)と交換することはできません。

それでも金(ゴールド)を買うことはできます。
交換できないけど買うことができる。
これはなぜでしょうか。


それは金(ゴールド)と交換してもいいくらい”信頼”されているからです。

現代の貨幣は金兌紙幣ではありません。
金(ゴールド)と交換できるものではないのです。
でも、交換できるくらい価値がある。
そのように”信頼”されているだけです。
現代貨幣の価値は”信頼=credit”。
お金を価値そのものと考えるのは文字通り時代遅れなのです。

現代の貨幣はとても便利な性質を持っています。
金(ゴールド)がなくても貨幣を発行することができる。
なんの準備も無しに貨幣を発行できるのです*1。

あやふやなお金で成り立つ国家予算

次に国家予算について考えてみます。
国家予算は税収によって成り立つそうです。
しかし、肝心の納めるお金は金兌換紙幣ではありません。

キーストロークで増やすことのできる不安定な貨幣で収めるのです。
国家予算=”信頼”で成り立つ貨幣。
しかし、国家予算という大それたもの。
“信頼”なんてあやふやなもので成り立たせて大丈夫なのでしょうか。
だって、その貨幣には金(ゴールド)と交換できる保証はないのです。
何度も述べた通り、
現代の貨幣には”信頼”しかないのです。
「国家予算=金兌換紙幣”」と「国家予算=”信頼”で成り立つ貨幣」
この二つには一体どのような違いがあるのでしょうか。

例えば国家を揺るがす大災害が起きた時を考えてみます。
災害が起きれば当然、国民の保護やインフラの修理が必要です。
しかもそれは急を要するので貨幣が大量に必要とされます。
もし、金兌換紙幣であれば金(ゴールド)が必須です。
しかし金(ゴールド)を集めるなんて悠長なことはできません。
金兌換紙幣の場合、即座にお金を発行できないのです。
ところが、現代の貨幣は違います。
“信頼”された貨幣は金の裏付けが必要ありません。
緊急時でもキーストロークによって貨幣を発行できるのです。
この柔軟性こそ非金兌換紙幣、現代の貨幣のメリットなのです。
現代のお金はいざという時に増やせる。
とても便利なものなのです。

メリットを捨てて貧しくなった国

ところが、この便利さを捨てて貧乏になった国があります。
日本です。
バブル崩壊という経済的大災害時。
それでも日本はお金を増やしませんでした。
土地の価格下落も証券会社の倒産も成り行きに任せたのです。
もったいない……。

では、なぜそんなもったいないことをしたのでしょうか。
それは政治家がそれをしなかったからです。
では、政治家がなぜそれをしなかったのでしょうか。
それは政治家が無能だったから……というのは責任転嫁がすぎます。
政治の責任は国民にあります。
当時の日本国民が非金兌換紙幣の優位を認めなかったからなのです。
なぜ、当時の日本人はそんなことをしたのでしょう。
それは税金をとても真面目に解釈してしまったからです。

バブル崩壊を防ぐための国が作り出す資金。

それは血税である。
税金は日本人の稼いだお金で成り立つ大切な物。
そんな大事なお金を会社や土地に回すとは何事だ。
税金を神聖化してしまったのです。
この考えの延長線上にあるのが
“国の借金を未来に残してはいけない”
なのです。
神聖化したおかげで、自己犠牲の響きを感じますね。
税金は平等に正しく使われるべき。

その神話が、非兌換紙幣のメリットを無くしてしまった。
なんとも皮肉な話です。

ケインズが述べた有名なエピソードがあります。
お金の入った壺探しゲームでもすれば国は豊かになる。
でも、当時の日本は真逆の選択肢を選びました。
楽しさでなく自己犠牲。
そしてますます貧しくなる。
それを楽しいと感じる性癖を僕は持ち合わせていません。

バブル崩壊直前まで、日本は確実に豊かでした。
しかし非兌換紙幣のメリットを使用しませんでした。
結果、バブルは崩壊しました。
豊かなのに破綻する。
まるで黒字倒産のようです。
繰り返しますが現代貨幣の価値は”信頼”だけ。
一時的に貨幣を増やして国家財政の補填を行うのに問題はありません。
当時の政府がそう認識していなかったことが悔やまれます。

税金の本当の意味

ここで税金に話を戻しましょう。

税金は何度も言う通り非金兌換紙幣で集められます。

このことについても一つの謎が生じます。
税金はなんのために集められるのか、ということです。

本来、税金とは国家予算のためのものとされていました。

非金兌換紙幣で成り立つ税金。

ならば、国家が貨幣を作りそれを国家予算にすればどうでしょう。
税金など取る必要がなくります。
やったぜ!
無税国家の誕生だ!
ヒャッハア!

もちろん、そんなうまい話はありません。

国家の貨幣は”信頼”のあるうちは価値があります。

しかしいずれ貨幣流通量が増大するでしょう。
そして貨幣は枯葉と同じ量になります。
その時の貨幣の価値はどのくらいでしょうか。

おそらく、枯葉に印刷技術代を足した程度でしょうね。

ナウル共和国の栄華は夢を見る時間しかもたない。
貨幣流通量が多くなれば”信頼”を失います。
貨幣にとって“信頼”は価値そのものなのです。

では、もう一度考えましょう。
税金とはなんなのか。

税金は貨幣の”信頼”を取り戻すためのものなのです。

税金は貨幣の量の調整をすることができます。

貨幣が多すぎる時に税金を増やしてお金を減らすことができる。
それが真の税金の役割なのだと僕は確信しています。

また、この仕組みを利用すれば貨幣の価値を上げることが可能です。
貨幣が少ない時にさらに貨幣を減らして貨幣の価値を上げるのです。

そんなことをして一体、どんな得があるというのでしょうか。

お金のために貧しい生活を選ぶ国

こんな変なことをやっている国があります。
日本です。(またかいな)
日本は税金によって貨幣量を少なくして円高を成し遂げているのです。
税金によって民間のお金を減らし、日本円の暴落を止めているのです。

この事実を考えた時、僕はものすごく歪んでいる気がしました。
だからどこかにその歪みが形となって存在するはず。
そう考えたのです。そしてその歪みはすぐに見つかりました。
借金まみれなのに円高のままの日本円です。

本来、借金まみれ(=普通国債残高)であれば”信頼”が落ちるはず。
日本円の価値は暴落するはずなのです。
しかし、日本円は価値を保ったまま*2です。
プラザ合意前は1ドル242円。
円安が進んだ今でもまだ100円近く価値が高いのです。

残念ながら、この歪みの原因について財務省は無自覚なようです。

お金が足りないのにさらにお金を減らす行為。
この結果、どのようなことが生じるのでしょうか。
当然、お金が無くなる。
貧しくなるのです。

世界・日本の経済の動きについて 副首都推進局

https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/cmsfiles/contents/0000558/558837/02_shiryou2.pdf

(上記資料赤枠図拡大)

作る貨幣の量(マネタリーベース)は世界と変わらない。
けれど、国民に残るお金(マネーストック)は34%増。
増、とあると増えているように感じます。
しかしアメリカは250%増、中国に至っては470%増。
10分の1以下しか増えていない。
つまり平均を取れば極端なマイナス。
日本人は円高のために貧しい生活を強いられているのです。

本来、経済的に打撃を受ける時は非常の時。

貨幣をたくさん増やすべきなのです。
しかし、日本はそうしませんでした。

バブル崩壊時に税金を増やし、とどめにとどめ。

現在も死者に鞭打つ行為を続けています。
そして、これが失われた30年の正体なのです。

世界と比較すると日本の税金の割合はさほど変わらないそうです。
しかし、何度も結論づけた通り税金は貨幣量を下げるのが目的。
他国と同様の成長をとげていないのに貨幣量を下げる。
どうやって経済を立て直すことができるのでしょうか。

(まとめといえるほどではない)まとめ

税金の本質を理解しなくてはいけません。
経済関連の読書も考察も僕の趣味でしかありません。

だから、今、僕がここで述べたことには間違いもあると思います。

それでも、バブル崩壊から30年が経過しました。
一向に経済が上向かない状況をいい加減に変えたいものです。
税金の定義を明確にし、税金を上手く扱える政治家を選挙で選ぶ。
そのためにも、学びがまだまだ必要だと感じています。

1*
MMTで述べるキーストロークによる貨幣発行はこのことを指しています。
技術的にできる、ということをMMTでは言っているだけで「無条件で無限に発行できる」とは”MMT入門”(ランダルレイ)には一言も書かれていません。このことを無視した批判は経済学者の方ですらなさっていますが、本当に本書を読まれたのでしょうか?

2*
2023年8月現在の円安基調は世界的な物価高の結果。
必要となればこの説明も後で加えます。