2022年4月3日レコーディング「ヴェノナ文書ってご存知ですか〜雨の日は動かず」

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雨の日は動かない。
お手製の座椅子に座ってのんびり過ごします。

せっかくの雨の休日。
最近読んだ本から考えたことをまとめようと思います。


ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動

第二次世界大戦前から戦後1980年頃まで。
アメリカは国内のスパイ活動について調べていました。
それついての本です。

読んでみると驚きです。
共産党のスパイがアメリカに存在したという事実。
しかも大多数。
しかも大統領に近い役職まで。
恐ろしい話です。

日本史を少し学べば出てくるハル・ノート。
簡単に言ってしまえば第二次世界大戦時の全面降伏勧告。
全財産を捨てて降伏しなさい。
そんな内容です。
その原案を作ったのがハリー・ホワイト財務次官補。
なんと彼はソ連のスパイだったそうです。

原爆。
Made in Americaの恐ろしい武器。
その最新研究もどんどんソ連に流れたとあります。
だからその存在が明らかになっても驚かなかったそうです。

当時、ソ連とアメリカは同盟国。
スパイ活動の証拠をにぎっても追求しない。
FBIはスパイを逃してしまう。
ドラマと大違いです。
逃走するスパイの背後に忍び寄る刑事。
そんなイメージがあったのに。
実際は証拠不十分だったり単純に取り逃したり。
そんなことまで書かれています。

一方で防諜機関CIAはどうか。
CIAの前身、OSSにも10人以上のスパイ。
外国へ情報を逃さないための組織。
スパイを捕まえるための組織。
でも、そこにもたくさんのスパイ。
だめだこりゃ。

戦後の「赤狩り」。
共産党への追及としては厳しすぎると思っていました。
無実の罪がどれだけあったのか。
でも実際はスパイでした。
そんな人がたくさん存在していたようです。

非常に悪い言葉ですが
“大男は総身に知恵が回りかね”
ということわざが当時のアメリカにはぴったりな様子です。

では、どうしてここまでスパイがアメリカに増えたのでしょうか。
その理由をこの本は結論としてまとめています。

いくつもの急ごしらえの省庁を新設して、多数の人間を新たに連邦政府職員として雇い入れねばならなくなり、そのために通常の公務員採用では求められるはずの身元調査をせずに、ほとんどフリーパスで大量採用を行なったことにあった。

ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動 p464

“急ごしらえ”の国の中枢にたくさんのスパイが入り込んだ。
そういうわけです。

また、共産主義が魅力的だったのも理由の一つのようです。

さらにアメリカ共産党には、科学や技術の訓練を受けた専門家たちを惹きつける魅力があった。アメリカの共産主義者たちは、自分たちが働いている資本主義の会社のことを不道徳な組織であるとみなしていた。そのためソ連の情報部員が彼らに接触して、こうした会社の科学的秘密事項を共産主義者のいう「社会主義の偉大な国」ソ連と共有するよう頼んだ時、同義に反するとが考えるものなどほとんどいなかったのである。

ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動 p407

共産主義こそ社会をよくする考え方。
そう信じた善意。
それが国家機密を外に出す原動力になりました。

そんなばかな。
善意と信じて国の秘密を漏らすなんて。
そう思いました。
でも。

“拳児”という漫画があります。
八極拳という拳法を学ぶ。
その学びを通して日本から中国へ。
主人公の拳児が活躍する面白い漫画でした。


拳児(1) (少年サンデーコミックス)

面白くもあり、怖い漫画でした。
行く先々で中国の人と仲良くなる。
親子のような関係を結ぶ。
世話をし、世話をされる。
美しい関係性です。
日本企業でみられる家族のような関係性。

でも、家族間のためならちょっとした無理も通します。
あの人のためなら、と秘密を漏らすことだって。

家族のような間柄。
世の中を良くするための情報伝達。
善意の塊。
その善意の塊がスパイなのです。

日本の攻撃はアメリカ本土にほとんど届きませんでした。
それでも、随分と恐怖を感じさせたようです。
当時のドキュメントをまとめた「よい戦争」に記述があります。


よい戦争

日本兵は自らが正しいと思う道、つまり「武士道」を基にして戦っていた。それが戦士の道。降伏はなかった。そこに立ち会う。全く望のない事態に直面しても、なおあきらめようとしない連中。実際に彼らと戦ってみなければ、とても理解できないことです。日本への誰かを助けようとすれば、その男は必ず手榴弾を爆発させて自分自身はもちろん、こっちまでも死ぬことになる。捉えられる事は不名誉なことでした。我々にとっては全くありえないことだった。

よい戦争 P80

よく理解できない武士道という考え。
怖い。
だから日本を徹底的に潰さないといけない。

そんな状態だから原爆は“すばらしいバクダン”。
非常に好意的に受け止められていました。

真珠湾攻撃の際、日本はルールを破った。
宣戦布告を行わず開戦した。
ウクライナ大統領にも言われちゃいました。
それは事実です。

でも、その宣戦布告。
それをアメリカで聞いた人がスパイじゃなかった。
そんなふうに断言できるんでしょうか。

側近がスパイだった。
でも大統領はスパイじゃない。
そんなふうに言えるんでしょうか
(本中には大統領まであと一歩のスパイも記載)。

そんなふうに疑問を持ちました。

何気なくWikipediaを調べてみる。
現大統領の息子さんの疑惑。
恥ずかしながらすっかり忘れていました。

あれ?
ウクライナがそういえばここでも。
しかも大統領、そんな疑惑もお持ちで。

戦争というものは経済を動かす原動力です。
『21世紀の資本』文中にもあります。


21世紀の資本

In the 20th century it took two world wars to wipe away the significantly reduce the return on capital, thereby creating the illusion that the fundamental structural contradiction of capitalism(r>g) had been overcome.

Capital in the Twenty-First Century p572

日本語版が部屋にないので英語版。
面倒くさい……。

戦争は貧富の差を縮める。
歴史的な富の動きを見るとそんな働きがあるそうです。
では、“よい戦争”に付き物の“損得”。
一体誰が得するんでしょう。

分かりません。
分からないのです。
それは誰かの思惑。
ただし、それも誰かは分からない。

分からないことだらけの現状。
一体何をすべきなのでしょうか。

誰かの思惑に乗らないこと。

それが結論です。
哲学卒の人は就職時に不利。
そんな話を学部時代に聞いたことがあります。

思惑に染まらない是々非々な性格。
そんな哲学科の生徒は企業にとって扱いづらい。
でも、共産主義という聞こえの良かった主義。
それを冷静に眺める姿勢が哲学。

哲学を持って動かず。
世界中の人がそう考える。
そうすれば争いなんて起こるはずがないですもんね。
兵士が哲学を持って武器を放棄。
そうすれば誰も傷つかない。
就職には役に立たずとも世界平和には役立つ。
哲学、すばらしい!

だから雨の日は動かない。
そう考えて色々まとめていたら食べすぎた一日でした。

結構ショッキングな内容でした。
アメリカは国をあげてスパイの排除をしました。
だからこうして文として残っています。
でも、日本は全くの手付かず。
CIAみたいな防諜機関すらありません。
大丈夫なの、日本?

一体どれくらいの人がこの本を読んだのだろう……。
雨の日に動かないまま、そんなことを考えます。