オーストラリアだと日本と同じ仕事で年収が200万円多くもらえるんだってさ

スポンサーリンク

1.前回のまとめ

前回は日本の困窮化の原因を、成長率に見合わない高税率としました。

結局、税金が高すぎるのです。

ただし、「税金が高すぎる」という言葉。
これをそのままの意味にとらえてはいけません。
なぜなら、この言葉を口にすると必ず言われるのです。
「他の国も同じくらいの税率だ」と。

あくまで税率は成長率と比較することが大事なのです。
具体的に言えば、マネーストック増加量。
これを世界と同程度にするのです。
民間にお金がない状態で増税する。
そんな馬鹿げたことは絶対に許されません。

もう一度言います。
民間にお金がない状態で増税する。
そんな馬鹿げたことは絶対に許されません。

きちんとした経済成長を遂げている。
それならば税金を上げることは問題ありません。
しかし、成長していないのに増税したら?
当然、経済規模が小さくなります。
お金がないのに税金を取ったら、ますます貧乏になる。
当然すぎるくらい当然なんです。

2.日本人”が”世界に出稼ぎに行く世界線

成長していないのに税金をたくさん取る。

それは結局、国民全体の財産を少なくすることになります。

その結果がマネーストックの減少です。
これは前回も述べた通りです。


国民全体の財産が少なくなるとどうなるのでしょうか。
それはもちろん貧乏になるのです。
これは個人だけでなく会社もです。
貧乏な会社は給料を払えません。
給料を払えないから人が集まりません。
大変すぎる仕事を安い給料で働く人なんていません。

出典:コブラ より

例えば介護職。

体の不自由な方の生活を支える、とても大変なお仕事です。

こういったお仕事は当然、給料をたくさん支払うべきです。

ところが日本は国全体が貧乏になっています。

だから給料が払えません。

結果として低賃金のまま。

平均年収は約362.9万円。
(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(企業規模計10人以上))
一方でオーストラリアはなんと550万円以上!
200万円近く安い年収で、一体誰が働きたがるのでしょうか。

安い労働力を外国から仕入れる?
でも、それは労働の機会を外国に渡しているだけ。
日本が豊かになるはずがありません。

まさかそんな愚かな選択をする人がいるとは思えませんが……。
まさか、ね。
適切な労働に適切な賃金を払う。
その状況を作るのが国の役割です。

外国軍に国防を任せてはいけない。
マキャベリズムの基本ですが、労働も同様。
外国の資本頼みでは豊かになれるはずがないのです。
そもそも給料がその国より低ければ働きにくるはずがありません。
給料が多くもらえるから働きに来るのです。
その給料は確実に日本人平均より安い。
安い賃金で外国の人に働いてもらう。
それは労働賃金を押し下げる効果しかありません。

3.仕事はあるのに働く人がいない状況はこうして作られる

また、労働者が少なくなれば、国内の現職の方は仕事が忙しくなります。

しかし、企業にはお金がないので給料を上げられません。

こうして仕事はあるのに働く人が少なくなる現状が生まれます。

お金があることが幸せとは限りません。
でも、貧しさは確実に人を苦しめるだけなのです。
税金の正しい形を知らなければ、結局こうなってしまうのです。

「税金の無駄使いはいけない」という言葉。

でも、この言葉を額面通りに受け取ることはとても危険なのです。

なぜなら、この言葉は「国の財源=税金」が前提としてあるからです。
前回のまとめ通り、税金は貨幣高の効果しかありません。
貨幣の価格が適切ならば税金を上げてはいけません。

それは結局、国を貧しくするだけです。

4.物価が高いんだから増税しなくちゃ、と何も考えずにいう人なんてまさかいないよね?

でも待てよ、と。
今は物価が全て高くなっているんじゃないか。

そういう反論があるかもしれません。

物価が高い=貨幣が安い。
だから貨幣を減らさなくちゃ。
だから増税だ!

物価高。
これが紛らわしいのです。

物価高というと、物の値段が上がっている状態。

貨幣のほうが物よりも増えている状態。

だから貨幣の値段を上げなくてはいけない。

経済理論から言って増税をしなくてはならない。

そんな話になります。

ここで考えるべきなのは、物価高のかたちそのものです。

ものの量<貨幣の量
これが基本的な物価高のかたちです。
しかし、この貨幣の量が多くなっている状態。

それが二種類あることを見逃されてしまうのです。

一つは一国の経済が好調で世界中に広がる状態。

もう一つは、世界中が世界中に広がる状態。

この2種類があるのです。

前者の一国体制はまさに日本のバブル期。
この頃は日本経済が世界をどんどん圧迫していました。

インフレモデル1 一国独走体制

そして後者が現在の世界状況。
世界の混乱がどんどんものを必要としている状態。
どちらもインフレになりますが、背景が全く違うのです。

インフレモデル2 多国競争体制

バブル期ならば税金を投入することでインフレを抑えられたでしょう。

しかし、現在は世界のものが減っている状態です。
弱っている状態にますます弱らせる行為。

それこそが現在の状況における増税という手段です。

物価高のこの2パターン。
まさか、経済のプロが理解していないなんてないですよね?
今の状況で増税なんて言えるはずないですよね?

前述の通り、ただでさえ国力が弱っている状態。
同じ職種なのに200万円も給料が低い状況です。
もし、この状況で増税を繰り返したらどうでしょう。
国民は絶滅。
日本円という、かつて存在した民族が使っていた貨幣。
それだけが世界に残ることでしょう。
これ以上、国民の所得を減らすことは絶対に許されないのです。
これ以上、国民の所得を減らすことは許されないのです。
絶対に絶対にぜーったいに許されないのです。

5.じゃあ世界に対抗する手段を……ってお金がないから無理やん

経済が潤っている頃は、技術力がありました。
世界が日本の作ったものを欲しがる時代です。
ソニーのウォークマンが世界の憧れ。
なんと勢いのある良い時代だったのでしょうか。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ウォークマンより引用

でも、今はAppleやGoogle(アルファベット)。
世界に太刀打ちできる技術は日本にはありません。
バブル崩壊後、貧しくなる手段をとってきたのです。
もはや日本企業に技術を高める力はありません。
お金がないのです。
技術もブランドもなくなるに決まっているじゃないですか。

技術力があれば、世界の物不足に対抗できるかもしれません。

しかし、貧しさによる投資力低下、技術の切り売り。

日本には対抗できる力がもはやないのです。

貧しさのために、日本は今、袋小路に追い詰められているのです。

「税金の無駄使いはいけない」という言葉は、絶対に使ってはいけません。

この言葉は国を貧しくするだけなのです。
大変な労働に見合った賃金を払う。

当たり前の豊かさを取り戻すまで、税金を上げない。

間違った考え方でしょうか。

僕は、間違っているとは思えません。
増税は貨幣高の効果しかない。
当たり前の豊かさを取り戻すまで、税金を上げない。

その考え方が広まることを、切に願っています。