『政治と情念』〜金儲け総理vs増税総理〜

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前回はセンメルヴェイスとMMTについて述べました。

税金を上げても上げても国が良くならない。
財源がないから、とさらに税金を上げる。
今では借金大国日本。
こんなに一生懸命やってるのに……。

そんな状況をなんとかできそうなMMT。
でも日本政府はどうしてもそれを受け入れない。
なぜなら、それを受け入れるには真面目すぎるから。

手術前には手を洗う。
そんな当然のことを絶対に受け入れない。
まるで過去のセンメルヴェイスに対する行為のようだ。

そんなふうにまとめました。

今の日本はもはや死に体。
給与は全く上がらない。
高齢者がどんどん増える。
賃金も技術も諸外国にどんどん抜かれていく。
その理由が税金の扱い方にある。
それでも日本政府はそれを変えようとしません。

でも、こんな日本でも元気のいい時がありました。
バブル景気です。

バブル景気(バブルけいき、英: bubble boom)は、あくまで日本だけにおける好景気の通称で景気動向指数(CI)上は、1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までの51か月間に、日本で起こった資産価格の上昇と好景気、およびそれに付随して起こった社会現象とされる。

Wikipedia

土地を買えば土地の値段がどんどん上がる。
だから、土地を買っておいて後で売る。
高くれるからさらに広い土地を買える。
お手軽簡単で確実。
土地転がし、というもうけ話がありました。

しかし、どうしてこんな夢のような話があったのでしょう。

色々な理由があると思います。
僕はここで田中角栄という人に注目しました。

田中 角栄(たなか かくえい、1918年〈大正7年〉5月4日 – 1993年〈平成5年〉12月16日)は、日本の政治家・実業家・建築士。 血液型はB型。 衆議院議員(16期)、郵政大臣(第12代)、大蔵大臣(第67・68・69代)、通商産業大臣(第33代)、自由民主党総裁(第6代)、内閣総理大臣(第64・65代)を歴任した。自民党内最大派閥の田中派を率い、日本列島改造論を計画・実行し、他にも様々な政策を成し遂げたことでも有名であり、今太閤や影の総理など呼ばれ多大な影響力をもった政治家として知られる。

Wikipedio

日本史を勉強すると大体が戦後数十年まで。
受験生には田中角栄元総理の印象は薄いのではないでしょうか。

日本列島改造論。
ロッキード事件で捕まった。
賄賂ばっかりの黒い政治家の見本。
そんな印象くらいでしょうか。

事実、当時のベストセラー。
立花隆著『田中角栄研究』。
読んでみるとまあすごい。

架空の会社を作って人脈や金脈の流れを作る。
税金はできる限り浮かせる。
土地の値段を上げる政策で自分の土地の値段を上げる。

悪者です!
完全な悪!
こんな人が内閣総理大臣を務めたなんて信じられない!

一方で2023年2月現在の岸田総理。
田中角栄元総理と比べると、本当に真面目な方ですよね。

金儲けなんて、まったくやってなさそう。
国会答弁の言葉を選ぶような発言。
丁寧な姿勢で政務に励んでいらっしゃる。

田中角栄元総理と岸田現総理。
方や悪徳政治家。
方や品行方正な総理。
どちらがいいか、一目瞭然ですよね。

そんな真面目な方が、最近文句を言われました。

親の顔が見てみたい…岸田の「ドラ息子秘書官」の欧州お土産騒動に大物政治家が「おれはもらってない」 Yahoo!ニュース

田中元総理から比べるとなんとも小さな話……。
あら探しといってもいいんじゃないでしょうか。
脱税や土地転がし、利権。
息子さんにお土産を買わせる。
許されないのはどちらかいわずもがな、ですよね。

こんなことをほじくり出さないと悪いところがない。
岸田総理はやっぱり真面目な方。
僕はそう思います。

じゃあ、どちらが良い内閣総理大臣なんでしょうか。

ロッキード事件を起こし私腹を肥やす田中元総理。
お土産を息子さんに買わせに行く岸田現総理。
当然、岸田総理ですよね。
だから今、岸田総理は現職でいらっしゃる。

でも、岸田総理の2023年1月の支持率は33パーセント。
一方で45パーセントが不支持。

そりゃあ当然ですよね。
だって国民の生活が苦しい現在。
未来の世代に借金は残せない。
防衛費のために増税する。
国民が苦しいのに迷わず増税。
こんな内閣総理大臣、困っちゃいますよね。

……あれ?
ここで不思議な結論になりました。

田中角栄元総理は私腹を肥やす悪い政治家。
岸田文雄元総理は増税を目指す悪い政治家。
じゃあ、良い政治家っていったいどんな政治家なの?

長くなったので、今回はここまでにしたいと思います。

参考にした本


MMT現代貨幣理論入門 Kindle版

政治と情念 権力・カネ・女 (文春文庫)

田中角栄研究全記録(上) (講談社文庫) Kindle版